Jump'in日記

主に週刊少年ジャンプの個人的感想についてのブログです。アニメ、ゲーム含め気ままに更新していきます

週刊少年ジャンプ2019年30号感想


少し忙しく更新かなり遅くなりました、申し訳ありませんでした…!
週刊少年ジャンプ今週号の感想です。


◎ハイキュー‼︎
【個人的評価】☆☆☆☆★

まず見開きカラー、格好いいですね。ミドルは松川とか角名とかいいキャラまだいるんですけど、現状あげるならこの6人かなぁって思います。

さて、東峰は本当に頼もしくなりましたね。ボールを呼ぶ『レフトォォォ』の声の迫力がコマが小さいのに素晴らしいです。これは構図の力ですね。コマに対する東峰の顔の割合とか、少し斜めっているところとか、吹き出しが下のコマに侵入しているところとか、勢いがこれでもかとあらわれている巧みな表現です。

その後が素晴らしいですね。烏野でのギャップを一番痛感した世代。多くの苦しみを味わってきた4人。高いブロック力を持つ敵チームは、どうしてもかつてのトラウマ『伊達工業』がちらつくチームです。その高い高い壁を、最後は菅原のトスで破るのは気持ちいいですね。ハイキューは1話からのテーマというか、『頂の景色』についてのナレーションから始まっている作品なので、かなり感動します。『くれ』『託す』『守る』の3人のカットは本当に感慨が凄まじいです。その後の潔子さんの表情も抜群。

『美しい空中姿勢』のシーンは牛若の描写でもありましたね。そことの対比というか、東峰のステージが上がったことを示すいい表現です。
また、レフトを呼ぶシーンは稲荷崎戦での田中を思い起こします。丁度レフトの吹き出しのすぐ隣に田中がいるんですけど、小さいコマながらめちゃくちゃいい表情してます。偉大な先輩の偉大な姿に対し、凄い、負けねぇと思うような表情です。ここもたぶん対比でしょうね。東峰がメンタルを克服した暗喩だととれます。

あとはセッターとしては影山に隠れがちな菅原ですが、こと東峰に関しては積み重ねがありますからね、彼へのトスはきっと洗練されているでしょう。それがその後の影山と侑のカットでわかります。本当にコマの使い方とか配置が絶妙すぎますね。

これだけ熱い回なんですが、次への布石も忘れないのが古舘先生の凄いところで、日向のアタックが阻まれた直後の日向の考えているコマは、おそらくどこかで使われるでしょう。結構ハイキューは目線とか小さい描写がキーになることが多いので、日向がブロックをどうするか、注目です。



◎ワンピース
【個人的評価】☆☆☆★★

まさかのクイーン瞬殺でしたね 笑
いくらマムが能力なしの状態でもさすがに四皇幹部と四皇本人じゃあレベルが違いましたね。ぶっ倒れたクイーンですが、ルフィがおしるこを食べたことに気づいたみたいなので、今後また一悶着あるでしょう。

そして、窮地でルフィがまた力を身につけました。レイリーが前にやったやつですね。そしてマムを相手に修行はそそりますね!相手としてはこの上なく、実戦形式なのでかなり楽しみです。ただ描写自体はカットかな…?

個人的に巧いなと思ったのがルフィを知らないというマムの説明をだらつかせず、ルフィの自己完結(しかも勘違い)で一コマで処理したところですね。テンポを損なわずに済みました。

溜めが長かっただけにずっと激動続きなので今後もかなり期待しています。



【個人的評価】☆☆☆★★

扉絵がいいですね。煽りも込みで美しいです。

童磨を煽り散らすしのぶさんが、ちょっと面白い一方でよかったなぁという感想です。毒は珠世さんのものだそうで、お姉さんも含め、本当に色々な人の力でようやく討ち取ったということになりますね。それと憎くてたまらないだろう鬼に対してさん付けできるしのぶさんは偉い。

それから伊之助の回想です。炭治郎がマジでめちゃくちゃいいやつですな。この慈愛の表情は流石鬼滅の主人公。そしてカナヲの回想へと続きます。以前は昔の癖で泣けなかったというモノローグがあった後に、号泣するシーンが入るのは対比として実に分かりやすく伝えられています。

さて、内容自体はとても暖かくてよかったのですが、僕の個人的な感想としては、ヘイト処理がイマイチだったというところです。童磨は本当にムカつくキャラとしてヘイトを集めていました。である以上はもっと惨めに死んでいってほしかった、でないとカタルシスは得られないという考えでした。理想は死に際に命乞いでも何でもして生にしがみ付いた挙句伊之助やカナヲから罵倒されて死ぬ、といったところですね。しのぶさんから罵倒されて死んだのでカタルシスが得られなかった訳ではないのですが、死ぬ間際も達観したまま終始童磨のペースだったのが残念でした。

タイトルはいいですね。伊之助やカナヲに対する『心あふれる』であると同時に、終ぞ人の心を理解できなかった(最後まで人の心をムカつかせた)童磨との対比となっています。

残る鬼も少なくなりましたが、強敵ばかりが残ります。炭治郎とそ同期たちは壊滅的なダメージなので、次の描写はあの兄弟でしょうか。最終戦も折り返し、注目です。



【個人的評価】☆☆☆☆★

扉絵はコハクっすか?色っぽいですね、眼鏡かけたら女教師確定なビューティーさですね。

イバラの顔がインパクト強いですね。轍を見る表情的に車だと気づいた感じですかね?まぁ少し頭を回せばあの後は何かが回転するか引きずるかしないとつかないはずなので、仮に車を知らなくても何かを察することもできると思いますが、どうも何か知ってそうな雰囲気ありますね。

そして科学教室が始まるとやっぱり楽しいですね!テンポがよく、説明臭くならないように手動ドライヤーだとかで小さくギャグを挟んでいるのでするっと読めます。

さて、コハクのビューティー計画完成です。そりゃあルリの妹だし、と作中でも言われていますがコハク自体のスペックがそもそも高かったので当然の仕上がりだと思います。しかしその後の展開は読めませんでした…。男性陣の女装は結構ベタな展開ですし、いいギャグだなぁと見ていたのですが、ここで銀狼が活きてくるのか…!巧いですよねー、ラボ奪還の『銀狼か〜〜〜』の時点でネタとしては成立していたのに、ここにきてまた銀狼だったのが展開として作用するんですよね。船のメンツじゃああとはフランソワくらいかな?でもフランソワだとラボ奪還が面白くかけるかというといささか緊張感に欠けるかなと思うので、かなり素晴らしいチョイスだと思います。

そして最後の引きの時点でなんなら女子2人を喰いかねないほどの銀狼の女装が目立っています。来週は唯一の男が一番見初められるというベッタベタの展開をやってくれるかと思います。楽しみです。



【個人的評価】☆☆☆★★

冒頭の描写ですが、堀越先生のTwitterによると修正が入るそうです。八斎會(オーバーホールが率いてた集団です)と共闘した時にトガちゃんのコピーがいたので、僕はあの時のコピーはデリケートな部分を測れずに作った不完全体で、今回ちゃんと測れたことによって輸血まで至れるようになったと解釈したんですが、まぁ公式の発表で、単行本で修正するとのことなのでそちらの描写待ちですね。堀越先生も多忙ですし、ここは編集のチェックでどうにかして欲しかった案件ではありますね…。

さて、本編は一応スピナーの掘り下げですね。ただ敵さんの主張はいまいちピンと来ないですね…。前回の描写だと、端的にいうと異能を縛るのではなく解放する、という立場だと僕は思っていたのですが、だったらスピナーこそ救いの手を差し伸べるべきでは…?こいつが末端ならまだしも花畑は幹部ポジだと思うので、どうなんですかね。まあ敵対している相手ですしそこまでする必要もないんですけど、だったらトゥワイスを手にしようとしているのと噛み合わないんですよね…。

そして代表の能力が明らかになりましたが、予想外しました。ストレスをパワーに変換ですか。追い詰めれば追い詰めるほど強くなる能力って厄介なんですよね…。厄介ですし、作者側としても扱いに困る相手で、某漫画の憤怒さんは描写カットで倒されたこともあるので、まぁ流石に敵のボスですし、なんとかしてはくれると思っていますが。

来週は休載となります。ぜひしっかり休んでいただきたいと思います。



◎サムライ8 八丸伝
【個人的評価】☆☆★★★

 カラーは好きです。背景はなんかよくわからないですけどキャラクターは表情含めキマってます。煽りはまぁそうなんすかね…。

姫に対する描写がいかにもって感じですね。教室みたいなところでは姫の美しさ=内面の美しさで、それを表現するのが生け花って言ってますけど、美しい生け花を持ってるウーン姫の内面がとても美しいとはいえない描写がなされているので、ヒロインのアンは内面が美しいって暗喩になってるんだと思います。この辺は巧いと思いましたが、ウーン姫だのサ姫だのネーミングセンスどうなってんすか。

僕の持論として主人公は応援したくなるようなキャラクターがいいと思っているんですけど、八丸からはそう感じないですね。教えてもらう姿勢がどうにも…。師匠が教える気満々なのに話を聞かないのが致命的ですね。前作との比較はあまりしたくはないですが、ナルトは螺旋丸の修行の時、自来也に全然相手にされなくて孤独を感じながら1人で修行して、それで独自のやり方見つけて、認められて、みたいなカタルシスが素晴らしかったじゃあないですか。なんでアレが描けるのに…と思ってしまいます。

鎧のシーンもまぁいいっちゃあいいんですけど、せっかくヒロインと対面するのに八丸を隠したんならもう少し引っ張ってもよかったかな?って感じでした。

で、敵来ますね。前回使者と戦ってほしいみたいな感想を書いたので、ここでようやく戦闘になってくれるんだと思います。あんまし修行した感はないですけど、あんな無機物みたいなやつじゃなくてちゃんとした人なのかサイボーグなのかは置いといて、人型の生物と戦ってワクワクさせてほしいです。


【個人的評価】☆☆☆☆★

掲載順好調やないですか!前回もシャッフルではなかったのかもしれませんね。

本編は随分と贅沢な使い方をした回です。話を端的に言うと、マキマさんの能力お披露目。でもよくわかんない。以上。みたいな感じですが、マキマさんの麗しさとか、敵サイドの恐怖感とかをしっかり描写したおかげで、面白く仕上がっています。

帽子かぶってる敵がやられるシーンの間が最高でした。意味がわからない不安な感じの煽り方がもうたまらない。前回までであれだけ味方サイドを殺しに殺した敵組織をちょっと気の毒に思ってしまいそうになるくらいの無双っぷり。ずっとクールキメてた蛇使いもあの慌てぶりですね。カタルシスとしては満点の出来栄えだと思います。貯めた大きいヘイトを見事に発散させてくれました。

さて、マキマさんの能力ですが、キーとなるのは『人柱』『名前』『手の仕草』ですかね。明らかに撃たれていたマキマさんの蘇生といい、僕は『死の悪魔』と契約しているのかなと思っているのですが、だとしたら銃なんか相手にならないくらいの強さで味方サイドとしては五条先生ばりのチートなんすよね。ネットの感想をチラ見した限り、神社で行うなら『神の悪魔』(恐怖よりは畏怖)だとか、マキマさんも銃の悪魔で、銃の悪魔同士で派閥争いをしているとか、結構色々な感想が伺えて面白いです。まぁ官房長官直属のデビルハンターですし、味方でも十分な力持っててしかるべきなんですけどね。

そして、何故2人仕留められなかったのか、何故実行犯の名前をあの時点で持っていたのか、惨殺シーンでやたら銃が強調されているのか、この遠距離で通じるのは何故か、色々疑問が溢れて来ます。描写自体は淡白でコマの使い方もシンプルなのに冗長に感じさせない画の力と、展開の進め方は素晴らしかったです。



◎ふたりの太星
【個人的評価】☆☆☆★★

太が戻ってくるまでに期間が空いたので、何か仕掛けがあるかと思ったんですが単純に昼夜逆転しただけなのかとそこは少し肩透かしでした。

何回も言ってますけどドラマとか雰囲気とか星のキャラとか好きなんですよね。『自分の為に指すー』『ふたりの天童太星なんだー』あまりは結構グッときました。サムライ8はちょっと置いといて、まだ補正期間とはいえ残りの同期の新連載には掲載順で勝てているので、なんとか生き延びてほしいです。(というか流石にスクワッド低くしすぎだと思うんですけど)

将棋の描写がいくらなんでも少なすぎるのは思わないでもないですけどね、そういう戦術的なのは受けがよくないとこれまでの将棋連載でわかっている感じがあるので、このままドラマ主体でいっていただければ。ただ星がこのまま無双しても面白くいかないですし、こっから勝負かなと思います。



◎僕たちは勉強ができない
【個人的評価】☆☆☆★★

カラー、いいですね。前も理珠がイメチェンした回だったかで抜群のカラーがありましたし、この子の映え感は好きです。が、雨が上がったシーンの絵を今描くのは悪手かなぁ…。
もちろん梅雨の時期だからってのはわかるんですけど、雨が上がるって表現上『不満、不安などが解消される』ことの暗喩としてのイメージがすごく強いんですよね。だからモヤモヤ重ねてる今回の扉としては、適切といえないというか、強い言葉ですがセンスが悪いなって思いました。雨が降る中物憂げな表情を浮かべる理珠が今回の適切回だったかなと思います。かわいいんですよ、ですけどね。

本編は前回の引きを考えるといつものぼく勉やったのはちょっと残念でしたが、途中成幸が出てきていつものまま終わらなかったのは良かったですかね。文乃の泣き顔がかなり素敵でした。

今回もいい引きですね。今回が今回だったのですが、流石に来週は引きのまま話し続けてくれると思います。



◎ビーストチルドレン
【個人的評価】☆☆★★★

強豪かと思いきやそうでもないのか…。そうでもないのに練習であの試合したのか…。
まぁそういう部員にシンが危惧してサクラ入れて変えようってならまぁギリわかりますけど、試合の時のあの音駒みたいなセリフ考えるとそれでも無さそうなんですよね…。

あと部員がモブ感めちゃ強いのも微妙ですね…。試合もまだですしこのテンポの遅さはたぶん浮上できなさそうです。1話はよかったですし、画の強さもあるにはあるのですが、とにかくミニゲームでも試合をしてもらわないとかなぁ。



【個人的評価】☆☆☆☆★

あんまりこういうのもアレなんですが、かなり久しぶりに面白かったです。

アイシェの過去ですが、まあベタながらすごいよかったんじゃないかと思います。視点が変わるとこうも違うのかというところもよかったです。僕個人もよく思ってますし、ネットでもエマ周辺のキャラしか描写がなくて、名前が覚えられないとか、魅力がないみたいに言われることもあります。が、そのネバランにしてはいいキャラメイクができたんじゃないかと思っています。

まぁドンとギルダ相手とはいえ喋りすぎやろとか、最後追ってというか、実行犯みたいなのが別部隊でいることが発覚したところ、あんな図体のが近くにいるなら気づけやとか、思うところはあるんですが、前半の過去の話が強かったので総合的によかったと思います。前回危惧した別視点とならずしっかり回収したのもGOODですね。対ノーマン戦線が少しずつ出来上がっていっていますね。



◎トーキョー忍スクワッド
【個人的評価】☆☆★★★

えー、なんというか打ち切り漫画のテンプレみたいな展開ですなぁ…。

冒頭の大琥の言い分からして、ちゃんと潜入していれば職員を心配する必要がなかったのでは…?と思いますし、やっぱりエレベーター故障したのか、なら何故到着できたんだとか、揚げ足取りかもしれませんが、そういう粗が見えてきちゃうんですよね、展開に引く力や勢いがないので尚更です。

『ホントに仁さんは…底が知れない…』というモノローグも、ちょっとした工夫程度で言われるようなことじゃないですし、仁本人も台詞から初めて使ったみたいなのでむしろ底が浅すぎるようにすら思いますね。

あと近未来謳っている割に『タピオカ』だの『ランボー』だのワードチョイスが現代人向けなのもイマイチですね。ただ『言い回しがうぜーぞ』はちょっと自虐的に見えて面白かったです。

個人的に一番気になったのは最後ですね。あんだけ重火器もった連中が揃いも揃って撃たないのかと。仁は確かに銃弾を反射できるんですけど、数の優位を活かしてエンに撃てばいいのでは?敵視点ではエンが記憶術を持っているとはわからないですし、ただのガキなんで重視していない、ならわかるんですけど、普通にエンに刃物男が迫ってるのでそうでもなく。敵の仁メタのあたりはよかったんですけどね。

キャラ魅力も話の勢いも僕は感じないので、話の些細な整合性の無さが気になるという、打ち切り漫画臭がぷんぷんします。なんども言うように子供に受けるんならいいんですけど、ちょっとどうかなと。現時点で一番最新の連載ながら同期の誰よりも掲載順が下なのも気になります。画は好きなので、もう少し原作にはなんとかしていただきたいです。



◎アクタージュ
【個人的評価】☆☆☆★★

 新キャラ、滑り出しいいんじゃないですかね。芥川賞なんて肩書きで嫌な予感したんですけど、面倒くさい感じとアーティスト感がよく出せていたと思います。彼女の価値観は呪術の七海と似ていますね。何か劇的なことが人を大人に変えるのではなく、積み重ねなんですかね。

短いながら天知と大賀美のやり取りも興味深いですね。『お前みたいなのがいるからこの国の芸能は退屈なんだ』は結構大賀美のキャラとしても、キャスティングありきの今の日本に投影してもいい台詞だと思います。それに対する天知の返答もなかなかにオシャレです。

ただかなりがっかりだったのは、夜凪の血筋を匂わせる発言ですね。だからダメってことではないんですけど、今までそんな布石があったようには思えずかなり唐突感があったのと、夜凪の魅力が薄まってしまうようで個人的には残念でした。

最後のシーンはなるほどな、と思いました。画としての強さとそれなりの説得力があったんじゃないでしょうか。展開としても、修行回としてはかなりのテンポですし、意識の問題なので短時間も気にならない。花子に会ったことそのものはご都合そのものなんですけど、まぁそれ言っちゃうと展開の余地がないですし、いい仕上がりじゃないでしょうか。



◎カクレミ
【個人的評価】☆☆☆★★

よかったんじゃないですかね。この話の特徴の『擬態』と、主題だろう『嘘』が繋がっているので話としてすごい分かりやすいんですよね。そして主人公の葛藤とヒロインの葛藤とをしっかり書ききっています。こういうのって、ヒロインに葛藤があってそれを主人公が救うか、主人公の葛藤をヒロインが救ってくれたために主人公が活躍できるようになるかってのが大半なんですけど、そのどっちもやってるから結構レベル高いと思います。個人的には主人公が情がうつるのが少し早かった気もしましたが、そこは読み切りなので仕方ないですかね。

最初読んだとき、優しい人間に接したせいで悪い人間も信じてしまい大事になるみたいな話かと思ったんですが、主人公がもう悪い人間でそこは驚かされました。それを読者に開示するタイミングがよかったと思います。発言の上に本音を被せる表現はたまに見ますが、背景黒トーンかつその時の表情が嬉し泣きしている様にもバカにしているようにも見えるのがまたいいですね。巧いなと思います。

さて、最後の見開きですが、まず僕はアングルというか構図で結構いいなって思いました。で、ネットの意見の中には、『あのシーンで主人公も知らない擬態生物がいるから、初めから主人公の正体をみんな知ってたことがわかる』っていう解釈を見て、なるほどなぁって思いましたし、たぶんその解釈が正解だと思うんですけど、それはそれで巧いけど話としてはビンタとかまたねとかが霞むような気がするんですけどね…。僕は最後の『ばーか』は彼女の照れ隠しのように思ったんで、そっちの解釈の方が終盤が活きると思うんですがどうすかね。もちろん作者が言及してない以上正解はないんですが。



◎呪術廻戦
【個人的評価】☆☆☆☆☆

冒頭で色々制度の説明がありました。なので前回の疑問はすっと解決しましたね。棘くんはもう準1級なので推薦は終わっていたわけですね。
それから東堂が同行しないのは少し安心しました。東堂は面白いんですけどキャラが濃くて続けて見るにはくどいんですよね。その辺の塩梅が分かっているようでよかったです。

さてそこからがまぁなんと面白いことか。箸休め回だろうにこのクオリティの話持ってきてキャラ掘り下げられるのはかなりセンスがあると思いました。アニメ化すれば看板化も遠くないかとまで思いましたね。

伏黒呼ぶために伊地知さんに電話する釘崎がクレバーですね。そん時の表情もなんか渋くて面白い。『天地がランバダ踊っても』のボキャブラリーもいい。

そこに現れたブチギレ伏黒くんも、話の流れにのせられて着席するの面白いですね。ちょっと意外というか、あんまり興味ないかと思ったんですが、やはり兄貴性分ありますよね、彼。

勝算アリの釘崎の顔がまた…笑 その後のラインも淡白で釘崎のらしさをどんどん描けていていいと思います。そんで登場する虎杖はなぜパチをうっていたんだ。

ここまでハイテンポのコメディやってましたが後半は一転しましたね。今週は扉絵(ストーン、ぼく勉、アクタ)や儀式中のマキマさん、煽りしのぶさん、ばーかのミクリちゃんなど、表情が素晴らしい画が非常に多かったのですが、今週のベストな表情は虎杖に声をかけられた時の小沢さんの表情ですね。

容姿に自信がない頃の虎杖のセリフに救われた小沢さん。その頃は容姿で物事を判断するような虎杖以外の男子は嫌いだとまで思っていたのに、いざ自分の容姿が変わったら、『今の私ならもしかしたら』と思うようになった。でも虎杖が容姿関係なく自分を認識したことで、容姿で物事を判断しようとする、自分が嫌っていた男子と同じような価値観を持っていたことに気付かされた…。深いし切ない…。そんなの普通なんだけど、とにかく虎杖が凄すぎて自分の小ささを認識させられたんでしょうね…。だから連絡先を聞けなかったというか、聞くステージにいないと思ったんでしょう。それを痛感した小沢さんの、虎杖への想いと自己嫌悪が入り混じったような最高の表情だと思います。全体的にコメディ調かつやや画が荒れていた今週の呪術ですが、ここは抜群の表情だったと思います。

で、現実的に考えていくらなんでもあの変化に言及しないのはちょっとおかしいような気もします。ましてや虎杖ほどのコミュ力があれば、『久しぶり、全然気づかなかった!』くらいの(そしておそらく彼女が望んでいたであろう)返答をしそうなもんですし、そこはちょっとご都合かなって思いはしたのですが、前述した表情とその後のコマが面白いのも相まって気にならないんですよね。10点札を上げる2人のコマめっちゃ笑いました。釘崎の『悔しいけど認めざるを得ない』みたいな苦悶の表情と、伏黒の興味なさそうででも聞いてるみたいなシュールさがなんとも笑いを誘ってくれる。これも一種の勢いってやつですな。

最後のオチも満点ですね。個人的には釘崎が虎杖を好きになるような展開は歓迎なんですが、一方で釘崎(と伏黒)は対等というか、ずっと今の関係なままでいてほしいという気持ちもすっごいわかります。なので、『釘崎のモヤモヤは恋心ではない』というオチは、話のオチとしてまず成立していますし、この後も釘崎が虎杖に恋する展開はないよという意思表示にも、今後の展開で恋するよという布石にもなるいい塩梅なんですよね。こういう舵の切り方ができるセンス。1話完結ながら生きたキャラをちゃんと描きつつしっとりとしたドラマを描ける。本当に凄い才だと思います。

で、この虎杖の『容姿が変わっても本質で認識できる』というのが、後々最悪の形で活かされるかもしれないですね。僕も思いましたし、ネットでも散々言われていましたが、正に真人の能力がそうじゃあないですか。ここまで匂わされると逆に外してくるパターンもありそうですが、ぐにゃぐにゃの敵が元同級生だなんて…ゾッとしますね。ハロウィンが待ち遠しいようで末恐ろしいです。



【個人的評価】☆☆★★★

まーたご都合能力が出ましたな。強キャラ揃いのゆらぎ組なんでどうしても仕方がないんですが、弱キャラに無双されるのはちょっと展開としてのヘイトが高すぎると思いました。

で、雪崩にも救いの意思はあるんだよって話が出てきましたが、うーん別に同情もできない。ゆらぎのパターンだと雪崩が敗れた後にコガラシが『お前も助けてくれようとしたんだよな』って雪崩と和解して終わりそうな気もしますので、そこは是非避けてカタルシスを昇華させていただきたいところです。

ただ『私は二度と…貴様との記憶を失いたくはない…!』のセリフはめちゃめちゃいいですね。こんなこと言うようになったなんて。キャラは本当にいいんですよね…。掲載順大丈夫かなぁ。



◎最後の最遊記
【個人的評価】☆☆☆★★

いやぁ面白いんだけどなぁ。テンポかなぁ。

遂に敵撃破ですね。3人で掴んだ勝利というのがよかったですし、丁寧に描写してきたぶんコハルとエステルの友情も、画も相まって素敵に仕上がったのではないでしょうか。

ただ先生サイドの話がまだ出てきてないですし、章が始まる時に出てきた医者みたいなやつが絡んでくるんじゃないかと思いまして、これで任務完了とはならなさそうですね。だとすると全体の尺としてはかなりの長編ですよね、もう少し小さい任務でちょっとずつ描写を重ねていたほうがよかったんですかね。まだ終わってはないけど。



◎神緒ゆいは髪を結い
【個人的評価】☆☆★★★

ん???
えーと、僕は前作を知らないので聞きかじった情報になりますが、なんか最後の引きで前作との繋がりが確定したらしいです。

まぁ話としてはゆいの過去ってことなんでしょう。まぁそこはいいとして、ちょっと展開が唐突かつぶっ飛んでいるせいで全然入り込めない。怒涛といえば聞こえはいいですが読者を無視しているとも…。前作読んでれば結構いいゆですかね。ただその前提だとしたらそれはそれでクリエイト能力としてはどうかと…。

ただ画の力はありますし、この手のジャンルは得意らしいですし、まぁ引きとして唐突に感じはしましたが楽しくなりそうな気配は感じるので、そこを評価して判定しました。